豆板銀とは？

「豆板銀」とは、江戸時代に流通した銀貨です。
江戸幕府の銀貨幣鋳造所であった銀座での正式名称は「小玉銀（こだまぎん）」とされていました。
但し、複数の古銭書で「豆板銀」として記載されているものが見受けられます。

豆板銀の形

豆板銀の形は、ほとんどが「小粒の銀塊」。
丸型のものや、楕円形、細長いものなど多岐に及びます。

豆板銀の大きさと重さ

豆板銀の大きさは、種類によってバラバラです。
多くの豆板銀の重量が37.5グラム以下で、その中でも標準的な種類のものは6グラム前後。
また、「露銀（つゆぎん）」と呼ばれる、1グラム以下のものがあります。

豆板銀の図柄

表面には「常是」「寳」に合わせて、年代を現す文字が極印されています。

贈答用に用いられた豆板銀は大黒柄

恩賞や贈答用と言われているものには、片面、または、両面に大黒像の極印が打たれています。
これらには、大黒のお腹の部分や「寳」の文字の周囲に年代の極印が打たれています。

豆板銀の使い道

豆板銀を取引で利用する以外に、丁銀と呼ばれる商取引用の銀貨の補助貨幣の役割がありました。
丁銀は、高額なため大口で取引されることが多い貨幣で、日常生活には使い辛い面がありました。
一方で、豆板銀は携帯に便利なことと、銭に両替しやすいことから日常生活の小口の支払で重宝されていました。
なお、丁銀と豆板銀を合わせて43匁（約161.25グラム）にして紙に包んで封印する「包銀（つつみぎん）」も行われました。
これは、大口の取引で使われる貨幣の単位。
包銀は包装・封印が銀座で行われ、その責任者の名前をとって「大黒常是」とも呼ばれていました。

豆板銀の種類

豆板銀の改鋳（かいちゅう）

豆板銀の改鋳とは流通している豆板銀を市場から回収して、それらを潰して新たな銀含有率の豆板銀に鋳造して流通させることです。 改鋳の目的は、含有率の悪い豆板銀に改定して貨幣量を増やすことで、増えた貨幣分の利益を得ることや、貨幣不足解消して物価を安定させることを目的にしたものなどがありました。

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